ふたりで暮らしひとりで生きる

独り立ちしたいこじらせアラサーの雑記

きっかけをくれたのは永田カビさん

 

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ/永田カビ

という本をご存知でしょうか。

 

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pixivコミックで話題となりその後書籍化(イースト・プレス社より)。今ものすごい勢いで読まれているコミックエッセイです。

 

著者の永田カビさんは、長い間「生きにくい」日々を過ごし、その中で葛藤と自己分析を積み重ねます。無条件に自分を受け入れてくれる存在を欲し、求める中で辿り着いたのが「レズビアン風俗」。無意識のうちに自身を支配していた親という存在から自由になり、自分で自分を大事にできるようになるために一歩を踏み出します。

 

この作品を書店で見つけて手に取ったとき、私は永田さんのことを全く知りませんでした。おお、すごい表紙だなあと何気なく思ってページをめくりーーこれはすごい。

止まらなくなりました。

これは、これは私のことか。私以外にもこんな人がいたのか。

こんなに共感したのは、大げさでなく生まれて初めてでした。

うつと摂食障害、というところで「あ、同じだ〜」と思ったのが始まりでした。精一杯やっているのに、どうしても仕事が続かないあの何とも言い難いつらさや情けなさ。自宅療養という名の苦しい毎日。母にベタベタしたい欲求。「親の機嫌とりたい私」がずっと幅をきかせてきたこと。同じだ。まるっきり同じだ。

 

けれど、私を一番惹きつけたのは、そんな似ている境遇の中で、私にはできなかったことを永田さんが為されていたことでした。

「なにくそ!」です。

生よりも、死を選ぶメリットの方が多くなったのだと絶望した際の、このセリフ。

「なにくそ!こうなったらダメ元で、立ち直るべくあがいてから死んでやる」

私にはこれができませんでした。一番大事なところで、私は踏ん張れなかったのです。

 

だから私は、純粋に永田さんがすごいと思いました。一番大事なのは「なにくそ」だと思うから。一見頼りなく見えるかもしれないけれど、なにくそと思わなきゃいけないときにちゃんとなにくそと思えるこの人はじゅうぶん強いじゃないか。この人ことを誰が批判できるんだ、と思いました。

 

そして、もうひとつ、私にとって最大級の爆弾だったのがラスト。

ネタバレになりますのでご注意くださいね。

 

 

 

 

 

 

「親不孝が怖くて自分の人生が生きられるか!」

文脈の流れがあってのこのセリフなので、ここだけを引用するのはよくないかもしれませんが……それでも。

自然に親から離れられた人にとっては「親不孝ダメ。親孝行しなきゃ」というベクトルが普通なのだと思います。

でも、親の目を気にするのがデフォルトの私には、親孝行じゃないことをする方が難しい。

そして、よおく世界を見てみたら、実は私にとって今大事なことは「これは親孝行か親不孝か」と考えずに動くことなんじゃないかと気が付いた。それは、実行した結果もしかしたら親不孝かもしれない。やってみないとわからないけど、それでもやることがたぶん必要なんじゃないか。

上のセリフを読んで、漠然とそんなことを考えました。

 

いろんな意見があることと思います。私が思うことは、私の経験があってこそのものだから偏っているかもしれません。それでも、真剣に自立を考える永田さんの姿が、私にもきっかけをくれたのは事実です。

そして、私だけでなく、この本に救われる人、ほんの少し進むためのきっかけをもらえる人はたくさんいるのではないかと思い、今回紹介させていただきました。

 

永田カビさんへの感謝とともに。

がんばる決意をここに寄せて。

 

「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」は宝物です。足元が揺らぐたびに、何度でも読み直したいと思います(^_^)

 

おまけになりますが、pixivコミックにて同じく永田カビさんの「一人交換日記」も連載中です。「レズ風俗…」の後日談も満載で、更新を毎回心待ちにしてます(´∀`)これから「レズ風俗…」を読まれる方にはそちらもオススメします♪

 

それでは、今日も遊びに来て頂いてありがとうございました。雨、風、気をつけましょうね。

 

 

2016.09.07

chiacafe