言葉とココロ 〜“メンヘラ”ショック〜
少し前まで、メンヘラという言葉がイヤでイヤでたまりませんでした。今でもキライ!めっちゃキライ!!でも使います。だって便利だから。
この言葉を知ったのはわりと最近です。ゴールデンボンバー「ローラの傷だらけ」の歌詞にある「隠れメンヘラ マナミ」。これがきっかけでした。
ん?何それどういう意味?そう思ってググった結果。討ち死に。筆者は大ショックを受けました。
①精神疾患を患っている人の俗称
これはいいのです。ああなるほどねって感じです。問題は次。
②精神疾患を患っていることをアピールする構ってちゃんの俗称
もう、大大大ショック。
まず、世間にそんな概念があったことがショック。なんというか……精神を病んだ人に対する、そんな厳しい見方があるんだなぁと思ったんです。
次に、自分も②の意味でのメンヘラかもしれないと気付いてショック。
・薬を飲んでいることをアピール
・自傷跡をアピール
・過去のトラウマをアピール
ググった先に書いていたことには、思い当たるものがいくつかありました。
私は別に何のアピールもする気はないのに。病気アピールも、私は特別アピールも何も。できるなら、私だってそりゃ楽しい話ばっかりしてたいのに。
でも、当時の私から病気を取ったら正直何も残らなかったと思います。それほどいっぱいいっぱいだったから、人に過去のトラウマ話ばかりしたこともあったでしょう。薬の話ばかりしたこともあったでしょう。そんな、自分にとっては「やむを得なかった」ことがすべてメンヘラの一言で片付けられてしまうのかと思うと、悔しくて情けなくて仕方ありませんでした。
自分の中ではどうしても収まらなくて、診察で訊いたりしました。自分なりに精一杯隠そうとしとるけど隠しきれん!!別にアピールする気なんてない!!なのにメンヘラて呼ばれなあかんのですかって。
先生は真剣に答えてくれました。一般的にメンヘラちゅうのは「切ってしまって〜!」みたいな感じで明らか意識的に人に見せよう聞かせようとする人のことだから、あなたはメンヘラじゃないよ。
その言葉にすがるように、その後しばらく過ごしました。
いつ頃からだったでしょう。もうどーうでもよくなったのは……
自分がメンヘラとかそうじゃないとか、何でもよくなったんです。
たぶん「ローラの傷だらけ」の頃よりもメンヘラという言葉がより一般的になったのが大きな要因だと思います。①の意味もしくは①と②の間くらいの意味(=病んでる&ちょっとめんどくさいこじらせさん的な)で、頻繁に使われるようになって。頻繁に使われる分だけマイルドになり、あまりデリケートに扱わなくてもいい印象になった気がします。
あとは、自分の中での諦めでしょうか。以前なら、めんどくさいこじらせさんと言われるのもイヤだったかもしれませんが今となっては「そうでしかない(o_o)」と思います 笑
色々諦められたから、たとえ②の意味のメンヘラに分類されたとしても今ならそうかもねと笑えるかもしれません。
目をそらさない勇気も知らん間に持てたしね!
②のメンヘラだって、たぶん好きでやってる人ばっかじゃない。薬を、自傷跡を、トラウマを、盾にしないとその場を乗り越えられなくて必死なんです。そこにしか自分のアイデンティティを見出せないのは、苦しいよ。
あの場面で否定してくれた先生にはすごく感謝しているけれど、私はやっぱりメンヘラだったと思います。今でも、これまでそんな印象を人に与えながら過ごしてきたのかと思うともう掘ってでも穴に入りたい。
メンヘラだった、メンヘラが自分のすべてだった当時。こんなのは自分にしかわからん、自分だけのものだと思っていた当時。
そして、今は……
プロフィールやらタイトルやらで使ってる「アラサーメンヘラ女子」気に入ってます。ずいぶん「メンヘラ」の肩身が狭くなって、どこにでもいそうな感じになりました。
どこにでもいそうな私が思うことは、数えきれないくらいの人が同じように思うことなんでしょう。どこにでもいそうな私が苦しいと感じることも、しかり。
イライラも、落ち込みも、母離れの難しさも、何もかも自分だけじゃないやろうという前提で書いています。同じ状況の人に頑張ろうと言える立場ではないし、違う状況の人に私達のことわかってねなんて言える立場でもないけど。それでも、誰かに何か届いたらいいなぁと小さく思う傲慢さだけは、許していただけるでしょうか。ブログっていう、日記なのか発信ツールなのかあやふやな媒体を通して。
冒頭でメンヘラという言葉が便利と言ったのは、めんどくさいこじらせという今の自分の状態を的確に表せる気がしたからです。ゆるーく自分に当てはめている感じが、今のこの言葉のマイポジションです。
以前の私のように、自分がメンヘラなんてと思う人はめっっちゃ自分の中で否定してあげたらいいと思う。誰も、あなたをメンヘラにすることはできません。大丈夫。
世間ってすごい冷静で残酷で、少しの甘えも許してくれなくて。飛び交う情報は刺々しすぎて、そのほとんどは「一般的に」正しいから余計痛くて。
でも、すべての言葉も情報も、その人の中でポジショニングされたその状態がその人にとっての「本当」だから。自分の「本当」を大事にしないと、この世の中で自分を守ることはできないんじゃないかな。
聞きたくない言葉も言われたくない言葉も、私もまだまだいーっぱいあるけど。ひとつずつ平気になっていくんじゃないかと何となく思えるから、安心してます。
「あなたの言葉優しく変換機」ってのがあればイチバンいいのにとも思ってるけどね(OvO)どいつもこいつも、口元に押し当てたいやつばっかりやー!
変換機がないから、次々押し寄せてくる言葉の居場所を決めるのにいつも必死です。
金爆さん、“隠れメンヘラ” も日々頑張ってるよ(^_^)笑